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ゼロからのスタート
都会から引っ越して田舎で農業をやりたい。そんな希望を持つ人が増えている。
農家では後継者が減り続けている反面、一度は離農したものの「帰農」する人や、新たに農業を始める人を合わせると年間5万人を上回るペースで農業人口は増加。一種の社会現象になっている。
ある自治体の新規就農相談センターを取材すると、担当者はまずこう口を開いた。
「甘い考えを持って田舎に来る人が多いという話を農業の現場でよく聞きます。特にいま都会に住んでいて脱サラして農業をやりたいという人。農業は大変な仕事です」
各都道府県には、こうした就農相談の窓口がある。のっけからピシャリと厳しいセリフだが、逆にそれだけ就農が注目を集めている証拠だ。
新規就農者の多くは、今も会社に勤めている人や元サラリーマンだという。多くが農業未経験の彼らが、どうやってゼロから農業を始めるのだろう。受け皿になっているのが最近増えている「農業法人」だ。平たく言えば農業をする会社で、そこで働くのは給料をもらって畑を耕すサラリーマン。
別名「社員ファーマー」だ。会社という枠組みがあるため、都会の人でも比較的なじみやすい。
農業法人の数は、(社)全国農業法人協会に加盟しているだけで約1500社あり、非加盟をあわせると今では1万社以上あると推計されている。
「後継者不足による慢性的な人手不足、規制緩和で海外から安い農産物が入るようになったことによる卸値の下落、市場競争の激化。
農業は今、注目されているのと裏腹に取り巻く環境が大変厳しい。
それを乗り越えるために全国で進んでいるのが組織化であり、その結果増えているのが農業法人です」(農業問題に詳しいフリーライター)
1995年に食管法が食糧法に改正され、統制的だった日本の米作りが「作る自由・売る自由」を認められた。
しかし個人農家では、巨大流通業者と交渉するにも分が悪く、これも組織化の流れを生みだしたといわれる。
新潟の魚沼産コシヒカリといった「ブランド米」がアピールされ始めたのもこの頃。
単に畑を耕す農業から、「高く売れる物を作る」ビジネス感覚を持ったお百姓さんが全国各地に出現し始めたのだ。そんな流れが背景となっている。>>続きを読む
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